福岡県泌尿器科医会 日本医師会 福岡県医師会
TOP はじめに 医療関係 市民公開講座 泌尿器の病気
医療機関
主な泌尿器科の病気
泌尿器腫瘍
尿路性器感染症
小児の泌尿器科疾患
尿路結石症
■副腎の病気
副腎腫瘍
■尿管の病気
膀胱尿管逆流(VUR)
■腎臓の病気
腎腫瘍
血尿
腎移植
■膀胱の病気
膀胱炎
膀胱がん
尿失禁
過活動膀胱
間質性膀胱炎
■前立腺の病気
前立腺肥大症
前立腺がん
■小児の病気
夜尿症
小児の包茎
亀頭包皮炎
陰嚢水瘤
停留精巣
■性感染症
尿道炎
■ED
ED
夜尿症について
夜尿症とは、5歳を過ぎて睡眠中に無意識に排尿してしまう状態をいいます。これは寝ている間にできるおしっこの量と膀胱の大きさとのバランスが取れていないために起こります。
『おねしょ』と夜尿症は異なり、おねしょとは5歳くらいまでに出来てくる体の生理的な発達が未熟なために、夜間に尿が漏れる状態のことをいい、病的ではないため心配いりません。ところが、夜尿症(症がつくと病気を意味します)となると生理的な発達が遅かったり、他の病気が隠れていたりすることがあり、診察をうけて適切な対策をとったほうがよいと考えられます。
おねしょは2歳で1/2、3歳で1/3と減ってきます。5歳以上の夜尿症にあたるものの頻度は、5歳で20〜25%、6歳で15〜20%、10歳で約5%、15歳で約1%といわれていますが、成人まで1%弱の人で持ち越す人もいます。また男児で女児の1.5〜2倍くらい多く見られます。

原因:主なものは次の2つです。

1.夜間に出来るおしっこの量が多すぎ、膀胱が小さいためにあふれてしまう状態
(抗利尿ホルモンの量が少ない)
2.膀胱の機能にかかわる神経の発達が十分でないため、膀胱がふくらみにくく、
おしっこの量が少なくてもあふれ出てしまうもの。

このほかに
●精神的・環境的要因などの心理的ストレス(いじめ、親子関係の問題など)
●冷え性、習慣性多飲や塩分の取りすぎ
●遺伝的な因子(親、同胞に既往)
●睡眠機構の未成熟または異常(特に覚醒障害)
●夜尿症を生じる基礎疾患の存在(神経因性膀胱、膀胱尿管逆流など) なども影響します。

対策

1. タイプ・重症度の診断 (病院受診時は検査)
2. 生活指導の徹底   →   夜尿記録で効果を見る
3. タイプ別に治療法・薬物の選択

夜尿症のタイプ

多尿型(夜間多尿型)
夜中のおしっこの量が多いタイプで200ml(10歳以上は250ml)を超えるもの。

膀胱型(排尿機能未熟型)
膀胱にためることが出来るおしっこの量が少ないもの

混合型
夜間のおしっこの量が200ml(10歳以上は250ml)より多く、膀胱にためられる量も少ない人

※このタイプ分けに必要な検査:
夜間尿量   :朝起きたときの尿量+オムツに漏れた重さ。
最大膀胱容量 :昼間ぎりぎりまで我慢したときの1回のおしっこの量又は朝起きたとき
(夜中でもよい)の最もたくさん出るときの1回のおしっこの量。
早朝の尿比重(又は尿浸透圧)

症度分類:付)帆足の分類を参照

・病院で行う検査
必須: 尿検査、血液検査(タイプが決まるまでと、薬を飲んでいるときは年に2〜3回)

・状況に応じて行われるもの:
レントゲン検査(頭、おなか、お尻)、脳波検査、超音波検査(腎臓の形、尿の残りなど)
尿の勢い検査、心理検査このほか必要時CT、MRIなども行われます。

生活指導

1.幼児期:

『起こさず、あせらず、怒らず』を守りましょう。水分は朝昼に十分取り夕方からは控えましょう。また塩分を取り過ぎないようにしましょう。また非常に近いひとでは、無理をしないように、少しためる練習をしてみましょう

2.学童期:

夜間に起こすのはやめましょう(抗利尿ホルモンの分泌が減り、バランスが崩れます。また少ない量で排尿の習慣がつき、膀胱が小さくなってしまうことがあります)。規則正しい生活リズムを確立し、水分摂取・塩分制限も心がけましょう。また尿があまりためられない排尿機能未熟型の人では、家にいるときにおしっこを我慢する訓練をしましょう(目標は小学校低学年で150ml、高学年で250mlです)。このほか冷え性にならないように気をつけることや宿泊行事に参加するように(効く薬があれば使用する。また学校の先生に相談し、夜中に起こしてもらうことや失敗したら他の子に気づかれないように着替えさせてもらう)する。

治療:

薬物療法

三環系抗うつ剤:深睡眠相の減少と膀胱に対する容量増大効果
抗コリン剤:膀胱の収縮を抑え、膀胱の容量を増大する効果
平滑筋弛緩薬:膀胱の平滑筋を緩ませる作用
中枢刺激薬:覚醒障害のある症例に使用することがある
抗利尿ホルモン:夜間の尿量が多く、尿の濃縮が悪い症例に使用
アラーム療法:膀胱増大効果があり排尿機能未熟型で有効

夜尿症は治療をせずともかなりな数が自然に改善してゆく病気ですが、社会生活上困ることも多い病気です。まず生活を規則正しくして自覚をもって直そうとがんばって見ましょう。治してゆくのに時間がかかる病気です。保護者の方も『起こさず、あせらず、怒らず』の原則を守って協力してあげてください。自分でがんばってもだめなときは、早めに専門医に相談をしましょう。

付)
夜尿の重症度判定(帆足の分類)

点 数 1点 2点 3点
年 齢 6〜7 歳 8〜10 歳 11 歳以上
夜尿の頻度 週に数回 毎晩 1 回 毎晩 2 回以上
夜尿の尿量
一晩の尿量
少量(パンツのみ)
150ml以下
中等量(パジャマまで)
200ml 以下
多量(シーツまで)
200ml 以上
我慢尿量 6〜9 歳
10 歳以上
151〜200ml
201〜250ml
101〜150ml
151〜200ml
100ml 以下
150ml 以下

上記4項目の合計点数にて下表で評価する.我慢尿量が6〜9歳で201ml以上、10歳以上で251ml以上の時は0点と評価する
軽 症 3 点〜6 点  早く治りやすい
中等症 7 点〜9 点  すこし手こずる
重 症 10 点〜12 点 かなり手こずる

家で出来る夜尿症対策 10項目(生活指導)

1.規則正しい生活を送る
夜更かしさせない(遅い時間に食べさせない)、朝ご飯をきちんと食べさせる。便秘を改善させる。

2.水分制限
早めの夕食、夕食後の水分制限、夜食は禁止(特に果物、家族も目前で食べない)
夕食時も多量に飲ませない(夕食の汁物も控える)

3.塩分制限
塩辛い食事を控える、スナック菓子を控える

4.叱らない
劣等感は持たせない(しかりすぎて萎縮させるとかえって悪影響)

5.あせらない
親があせりすぎると叱ったり、ついしてしまう

6.夜中に起こさない
睡眠バランス、ホルモンバランスを壊しかえって治療を遅らせる
5 歳以上になったらおむつはさせず、防水シート等を用いてガードする

7.自分から治そうとする意欲を持たせる
治ると励ます.本人に記録をさせて、○が増えたらほめてあげる

8.後始末について
パジャマ、下着は自分で換えさせ洗濯機までは持っていかせる

9.保温対策
冷えると膀胱容量が減るため冷えないように注意する

10.がまん尿の訓練
膀胱にためられる尿が少ない人は昼間にしたくなって少し我慢する練習させる
福岡県泌尿器科医会事務局 〒812-0033福岡県福岡市博多区大博町1-8
Copyright © Fukuoka Clinical Urologist's Association 2013. All Rights Reserved.