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前立腺肥大症
1.前立腺はどこにあるの?

前立腺は男性にしか存在しません。
膀胱の下に存在し大きさはくるみ大です。
前立腺が大きく腫大すれば尿道が圧迫され排尿障害が出現します。
 
出典:図説下部尿路機能障害
2.前立腺肥大症はどんな人がかかりやすいの?

60歳以上の男性の60%に前立腺肥大症は存在し40%以上は自覚症状を呈すると言われています。人種別にみると黒人、白人、黄色人の順であり我々日本人は比較的なりにくいといわれていますが近年増加傾向であります。増加の原因として食生活の欧米化が言われています。

3.どうして前立腺は肥大するの?

はっきりとした原因は解明されていないが、加齢および精巣から分泌される男性ホルモン(テストステロン)が前立腺の成長に関与しているのではないかと言われています。

4.どんな症状が出現するの?

第1期から第3期までの症状があります

【第1病期(膀胱刺激期)】
夜間にトイレに行く回数が多くなる、尿の勢いがない、尿がすぐ出ない、少ししか出ない、時間がかかる(排尿障害)などの症状が出てきます。

【第2病期(残尿発生期)】
排尿した後もすっきりとせず残っているような感じがする(残尿感)などの症状が出てきます。

【第3病期(慢性尿閉期)】
昼夜を問わずトイレに行く回数が増えて(頻尿)、排尿にかかる時間が長くなり、一回の排尿に数分かかるようになります。時には尿が全く出なくなってしまうこともあります(尿閉)。

下記の表は重症度を客観的に判定する表です。(国際前立腺症状スコア:IPSS)
是非参考までに点数をつけてみてください。

(総点数)0〜7点:軽症 8〜19点:中等症 20〜35点:重症
全くなし 5 回に1の割 合未満 2回に1回の割合未満 2回に1回の割合 2回に1回の割合以上 ほとんど
いつも
1.最近1ヶ月間、排尿後に尿が残っている感じがありますか。 0点 1点 2点 3点 4点 5点
2.最近1ヶ月間、排尿後2時間以内にもう一度行かねばならないことがありましたか。 0点 1点 2点 3点 4点 5点
3.最近1ヶ月間、排尿途中に尿が途切れることがありますか。 0点 1点 2点 3点 4点 5点
4.最近1ヶ月間、排尿をがまんするのがつらいことがありましたか。 0点 1点 2点 3点 4点 5点
5.最近1ヶ月間、尿の勢いが弱いことがありましたが。 0点 1点 2点 3点 4点 5点
6.最近1ヶ月間、排尿開始時にいきむ必要がありましたか。 0点 1点 2点 3点 4点 5点
7.最近1ヶ月間、床に就いてから朝起きるまでに普通何回排尿に起きましたか。 (0回)
0点
(1回)
1点
(2回)
2点
(3回)
3点
(4回)
4点
(5回
以上)
5点
 
5.病院に行ったらどんな検査されるの?

(必須検査)

(ア)PSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)採血
前立腺が大きくなる病気に肥大症とがんがあります。鑑別のためPSA採血します。
PSA値が上昇している場合、前立腺がんの鑑別が必要となります。

(イ)超音波検査(エコー)
経腹的または経直腸的にエコーにて前立腺体積を計測します。

(ウ)直腸診(前立腺触診)
肛門より指を挿入し前立腺を触診します。前立腺の大きさ形態を知る上でも重要な検査です。
またがんとの鑑別に有用な検査です。

(エ)尿流量測定
尿が溜まった状態で器械に向かってオシッコしてもらい尿の勢いを測定します。
終了したらエコーにて残尿を測定します。


6.どんな治療法があるの?

薬物療法または外科的療法があります。

【薬物療法】

代表的な治療薬は下記のとおりです。

@ α-1受容体遮断薬(タムスロシン、ナフトピジル、シロドシン)
排尿時は膀胱頸部の開大を助け、尿勢の勢いが増し、蓄尿時は膀胱の過活動を抑制し、
日中および夜間の頻尿を軽減させます。
副作用としてめまい・ふらつき・立ちくらみなどの低血圧に伴う症状が生じる場合があります。

A PDE-5阻害薬(タダラフィル)
尿道や前立腺の平滑筋細胞においてホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害することにより、
局所のcGMPの分解を阻害し平滑筋を弛緩させ、下部尿路組織における血流及び酸素供給が
増加し、前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状が緩和されます。

B 5α還元酵素阻害剤(デュタステリド)
前立腺を縮小させ、腺腫による閉塞を改善させます。
副作用として肝機能障害、性機能障害や女性化乳房などがあります。

C 植物製薬、漢方薬など(エビプロスタット、牛車腎気丸、八味地黄丸、など)
排尿困難、頻尿、尿意切迫、残尿感など複雑な自覚症状を改善させるといわれていますが、
どのように作用するか明確な作用機序は解明されていません。
副作用として軽度の消化器症状を認める程度です。

【外科的治療】
薬物療法で改善が得られない場合、尿閉状態、膀胱結石を併発する場合などに適応となります。いずれの手術も主に腰椎麻酔(半身麻酔)で行います。
代表的な治療法として下記治療法が挙げられます。
@ 生理食塩水灌流経尿道的前立腺切除術
(Bipolar TUR-P)
本邦で最も多く行われている術式です。
内視鏡を尿道より挿入し先端の電気メスで肥大した前立腺を尿道内から切除します。現在は以前の水中毒などの合併症を回避するため、灌流液として生理食塩水を用いた機器で行われています。
図:新泌尿器科学、内藤誠二編より
A ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)
内視鏡を尿道より挿入し、ホルミウムレーザーという種類のレーザー光を照射し、肥大した内腺(腺腫)を外腺から切り離します(核出)。核出され膀胱内に移動した腺腫を別の機器で細切・吸引して摘出します。大きく肥大したものから小さな肥大のものまで前立腺体積によらず適応可能です。TUR-Pより低侵襲で合併症も少ない手術法です。近年レーザーの普及により導入施設が増えてきています。

B 光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)
内視鏡を尿道より挿入し、ファイバーからLBOレーザーという種類の高出力レーザー光を照射し、肥大した前立腺組織を蒸散させて、尿路の閉塞を取り除く治療法です。組織の蒸散に伴い表面に凝固層が形成されるため、これまでの内視鏡手術とは異なり、手術中ほとんど出血せずに前立腺による尿道の閉塞をとることが可能です。比較的大きな前立腺肥大にも対応可能です。TUR-Pより低侵襲で合併症も少ない手術法です。近年レーザーの普及により導入施設が増えてきています。

*HoLEP、PVPはいずれも低侵襲で優れた手術でありますが、レーザー発生装置の導入施設により対応可能な術式は異なります。手術希望される際には事前のご確認を宜しくお願いします。
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